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更新日:2023年2月5日
「斜陽」 日本画
1946年頃 中村正義 作
豊橋市美術博物館蔵
~秋野不矩美術館「中村正義展」より~
中村正義が22歳の時に第2回日展で初入選を果たした作品である。淡彩の色調は霞や靄に包まれたかのような光と空間の中、民家の土壁を背景に、竹林の幹や葉に斜め奥から夕陽が差し込む逆光を受けて虚ろいゆくときの一瞬を捉えている。精緻な線描は、胡粉で線を一度消して、淡彩を乗せた上から再び線描により対象をくっきり描き起こすことによって、装飾的で清うか。本作品には、大量の下図が残されており、推敲に推敲を重ね仕上げていることが分かり、彼の並々ならぬ意気込みを感じさせる初期の代表作でもある。
本作に限らず、中村正義のとことん対象と向き合い自己を深く深く探る姿勢は、生涯貫いた姿であり、秋野不矩は彼が生み出す作品の価値を早い段階から認めていたという。
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