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更新日:2023年5月8日
葛飾北斎≪冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏≫
錦絵大判 天保2年(1831)頃
~浜松市美術館「北斎展-師と弟子たち-」より~
東海道の宿場町「神奈川」の沖合の風景を現在の東京湾上から見たように描いている。新鮮な海産物を江戸に運んだ「押送船(おしょくりぶね)」と呼ばれる小型船が、荒々しい波になすすべなく翻弄されている様子が描かれている。
手前に大きく立ち上がる波を描き、奥に小さく鎮座する富士を描くことで、近と遠、動と静の対比を強調している。波そのものも、豪快な波しぶきを表す刺々しい線と、うねるように大きく弧を描く波の曲線を組み合わせることにより、力強さと躍動感を表現している。
北斎は冨嶽三十六景シリーズで、舶来品で当時最新の染料であったベルリン藍(ベロ藍)を効果的に使用した。この染料を用いた浮世絵の色は「北斎ブルー」「ジャパンブルー」などと呼ばれ、ヨーロッパで起こったジャポニスムを通して画家たちに影響を与えた。色鮮やかなベロ藍の色は、北斎作品の魅力の一つである。
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