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更新日:2016年11月2日

住民監査請求結果(平成26年11月4日) 1

浜松市監査委員告示第10号

平成26年9月10日に提出された浜松市職員措置請求書(以下「本件措置請求」という。)について、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「自治法」という。)第242条第4項の規定に基づき、監査した結果を次のとおり公表する。

平成26年11月4日

浜松市監査委員 鈴木充

浜松市監査委員 木村幸弘

浜松市監査委員 桜井祐一

浜松市監査委員 松下正行

第1 監査の請求

1 請求人

(省略)

2 請求書の提出日

平成26年9月10日

3 請求の趣旨

請求人から提出された浜松市職員措置請求書及び事実証明書に記載された事項に基づく請求の趣旨は次のとおりである。(請求人に関する事項を除き、請求書原文のとおり)

当市における外国人に対する保護措置に関する監査請求

地方自治法(昭和22年4月17日法律第67号。以下「地自法」という。)242条1項の規定に基づき、下記のとおり監査を請求する。
なお、同条5項の規定により、貴職ら監査委員による監査及び勧告が本請求から60日以内に為されないときは、遅滞なく、また、係る監査の結果若しくは勧告が妥当でないものと当方こと監査請求人において認めるときは、相当な準備期間の後、同法242条の2第1項の規定に基づき、訴訟を提起する。

第1 請求の趣旨

当市長及び担当職員が、「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」と題する通知(昭和29年5月8日付け社発第382号厚生省社会局長通知。疎第1号文書。これを改正または改定する通知を含む。以下「厚生省通知」という。)に基づき、生活保護法(昭和25年5月4日法律第144号。以下「生保法」という。)による保護の例に準じ、当市における、日本国籍を有しない者(以下「外国人」という。)に対して事実上の保護を行っている行政措置(以下「準生活保護措置」という。)は、違法かつ違憲であって、係る措置において平成25年7月乃至同26年6月中外国人に交付された金員は、不当な公金の支出又は債務その他の義務の負担(以下「不当債務履行」という。)というべきであるから、斯様な措置を直ちに廃止する等の是正を講じ、また、不当債務履行により被った当市における損害を補填するため、当該交付を受けた外国人に返還を求める等必要な措置を講ずるべきである。但し、係る外国人の厚生に鑑み、3ヶ月程度の移行期間を設け、及び適当な移行措置を行うべきである。

第2 請求の理由

1 請求に係る事実

  • 一 生活保護は、日本国憲法(昭和21年11月3日憲法)25条1項がすべての国民に対し保障する「健康的で文化的な最低限度の生活を営む権利」を確立するため、生保法により行われているものであって、同項及び同法2条の規定からすれば、その対象はすべて(の)国民である。(最高裁判所平成24年(行ヒ)第45号平成26年7月18日最高裁判所第二小法廷判決)
  • 二 言うまでもないが、憲法10条により国籍法(昭和25年5月4日法律第147号)において日本国民とされている者(日本国籍を有するものを含む。)が、前項にいう『国民』である。
  • 三 然しながら、厚生省通知により、『生活保護法(以下単に「法」という。)第1条により、外国人は法の適用対象とならないのであるが、当分の間、生活に困窮する外国人に対しては一般国民に対する生活保護の決定実施の取扱に準じて左の手続により必要と認める保護を行うこと。』(第1第1項柱書本文)などとする、生活に困窮する外国人に対する準生活保護措置についての取扱要領及び手続が整理された旨が周知され、これを踏まえ、当市ほか地方公共団体においては、『法律上の権利として保障したものではなく、単に一方的な行政措置によつて』(同通知第4問7答)準生活保護措置を行なってきたところである。
    なお、当初の厚生省通知は、昭和57年1月4日社保第1号厚生省社会局長通知により改正され(疎第2号証)、その後更に改正ののち、直近で平成24年7月4日社援発0704第4号厚生労働省社会・援護局長通知により改正された(疎第3号証)。
  • 四 前号の取扱いは、当時の経済状況に鑑みて、正しく『当分の間』講じられる措置としては妥当であったやも知れぬが、法令の根拠を有さない行政措置を漫然と何ら立法措置を為さないままに今日まで継続してきたことは、もはや本来の生活保護の対象である国民に対する背信というべきである。

2 請求に係る当市の状況

  • 一 本件請求の対象となり得る平成25年度7月乃至3月及び平成26年度4月乃至6月の準生活保護措置による保護の支給総額(以下「請求対象準生活保護措置支給総額」という。)は推定『12億3340万4098円』であり、支給対象者は延べ『9666人』である。(疎第4号証乃至同第29号証)
    すなわち、本請求に先立ち、市長に対し公文書開示請求を行ったところ、月別の準生活保護措置による保護の支給総額(以下「月別準生活保護措置支給総額」という。)は取りまとめていないから公文書が存在しないが、月別の当該保護による受給者数(以下「月別準生活保護措置受給者数」という。)及び準生活保護措置と生活保護による支給総額(以下「月別保護措置支給総額」という。)についてはこれを把握しうる公文書が存在する、とのことであり、準生活保護措置においても平均支給額は生活保護によるものとおよそ同等であるとのことであったから、次のように請求対象準生活保護措置支給総額を算出した。

イ 準生活保護措置及び生活保護をいう保護措置における支給平均額

年度月 保護措置支給総額 受給者数 支給平均額
平成25年度7月 1040181062 7354 141444.2
同8月 798863621 7366 108452.8
同9月 954024826 7347 129852.2
同10月 899539181 7368 122087.2
同11月 968621887 7339 131982.8
同12月 1032759178 7365 140225.2
同1月 914118250 7393 123646.4
同2月 915868771 7422 123399.1
同3月 947447324 7397 128085.3
平成26年度4月 864738142 7350 117651.4
同5月 985081912 7367 133715.4
同6月 963261616 7380 130523.2

ロ 月別準生活保護措置支給総額

年度月 支給平均額 外国人受給者数 月別準生活保護措置支給額
平成25年度7月 141444.2 837 118388842
同8月 108452.8 822 89148234
同9月 129852.2 811 105310212
同10月 122087.2 812 99134882
同11月 131982.8 802 105850218
同12月 140225.2 804 112741124
同1月 123646.4 802 99164457
同2月 123399.1 810 99953342
同3月 128085.3 795 101827852
平成26年度4月 117651.4 785 92356386
同5月 133715.4 789 105501510
同6月 130523.2 797 104027033

四捨五入により、準生活保護措置支給総額は端数が一致しない場合がある。

ハ 請求対象準生活保護措置支給総額

  • 12億3340万4098円
  • 一 係る請求対象準生活保護措置支給額は概算であるから、上述のとおり推定とする。
  • 二 前号の保護の支給は、平成25年度一般会計予算において承認されておらず、また生活保護と区別されていない(疎第31号証及び同32号証)。これは、同26年度一般会計予算においても同様であるものと推定する。加えて、当市の条例及び規則において準生活保護措置に関する規定は存在しない。

3 総括

  • 一 よって、前項第1号に記載する保護の支給は法的な理由がなく、地自法138条の2に違反し、違法若しくは不当であるから、地自法242条1項に規定する事由のあるものというべきであり、斯様な準生活保護措置を直ちに廃止する等の是正を講じ、また、不当債務履行により被った当市における損害を補填するため、当該支給を受けた外国人に返還を求める等必要な措置を講ずるよう趣旨のとおり請求する。
  • 二 ただし、前号の是正及び所要の措置を講ずるに当たっては、準生活保護措置の対象となっていた者が生活困窮者であることには変わりないのであるから、その厚生に鑑みて、3ヶ月程度の移行期間を設けるべきである。また、今後準生活保護措置を行う場合には、条例において適切な立法措置を講ずべきことを議会に対し勧告するべきである。

第3 地自法242条2項について

第2第2項第1号に記載する公文書開示請求には、平成26年8月7日付けで決定が為されたが(同日付け浜健福第258号)、監査請求人による手数料の納付、貴市健康福祉部福祉総務課担当職員または出納担当者による当該納付の確認に期間を要し、同月29日にして開示を受けたところである。
本請求にあたっては、当該開示文書たる疎第4号証乃至同第31号証を徴する必要があり、開示に所要した期間は相当なものであったから、本請求において平成25年7月乃至同26年6月の準生活保護措置に係る請求を行うにつき、正当な理由のあるものというべきである。
よって、標記規定ただし書きに当たる。

第4 地自法施令172条及び同施則13条について

  • 1 地自法施行令(昭和22年5月3日政令第16号)172条1項は、地自法242条1項の規定よる請求をその要旨を記載した文書、具体的に同令同条2項により地自法施行規則(昭和22年5月3日内務省令第29号)13条に定める別記様式で調整した書面を以てしなければならない、と規定するが、当該政令の規定は地自法附則21条の規定に基づくものであり、義務を課すものであるところ、これは内閣法(昭和22年1月16日法律第5号)11条に違反するから、無効である。
  • 2 本請求は、地自法242条所定の事項を具備した本書面によって行うものであるから、これを不適法として却下するときは、当然前項についても争う。

第5 疎明方法

  • 1 疎第1号証 「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」と題する通知(昭和29年5月8日付け社発第382号厚生省社会局長通知)
  • 2 疎第2号証 昭和57年1月4日社保第1号厚生省社会局長通知
  • 3 疎第3号証 平成24年7月4日社援発0704第4号厚生労働省社会・援護局長通知
  • 4 疎第4号証乃至同第17号証 月別生活保護費及び支援給付費経理状況報告書
  • 5 疎第18号証乃至29号証 月別被保護世帯数及び被保護人員
  • 5 疎第30号証 準生活保護措置に係る平成25年度一般会計予算書
  • 6 疎第31号証 準生活保護措置に係る平成25年度一般会計予算説明資料

第6 監査請求人

  • 1 氏名
  • 2 住所
  • 3 電話

以上

4 要件審査

監査の実施に当たり、本件措置請求が、自治法第242条の要件に適合しているか否かについて審査を行った。
日本国籍を有しない者(以下「外国人」という。)に対して事実上の保護を行っている行政措置(以下「準生活保護措置」という。)は、違法かつ違憲であると主張し、生活保護行政の制度そのものに疑問を呈している部分については、住民監査請求の制度の対象となる個別具体的な財務会計上の行為の是正を求めるものではないと考えられることから、監査の対象には当たらないものと判断する。
ただし、本市が実施している準生活保護措置が、自治法第138条の2に違反し、違法又は不当であるとの主張については、違法又は不当な公金の支出があったものとして、返還を求めるもので、適格性があると認められた。

5 請求の受理

本件措置請求は、前項のとおり、その一部について自治法第242条の所定の要件を具備しているものと認め、平成26年10月2日に受理することとした。

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