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更新日:2021年9月14日
この審査は、浜松市監査基準(令和2年浜松市監査委員告示第2号)に準拠して実施した。
上記決算に関する証書類、事業報告書、キャッシュ・フロー計算書、収益費用明細書、固定資産明細書及び企業債明細書
令和3年5月31日から同年8月2日まで
2年度浜松市公営企業会計の各事業会計決算について、
を着眼点とし、検証した。
審査手続については、試査を基礎として行い、決算諸表と会計帳簿、預金残高証明書等の証拠書類と照合し、計数の確認のほか、関係職員から説明を聴取し、上記の着眼点に基づき審査を行った。
各事業会計の決算書とその附属書類は法令に基づき作成されており、決算諸表の計数はいずれも正確で、予算執行状況、経営成績及び財政状態に係る表示並びに事業の運営状況については、おおむね適正であると認められた。
2年度末における退職手当要支給額、退職給付引当金残高
(単位 : 千円)
区分 |
病院 |
水道 |
下水道 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
医療センター |
リハビリ病院 |
佐久間病院 |
||||
退職手当要支給額 (A) | 287,724 | 8,078 | 949 | 278,695 | 1,555,566 | 843,073 |
退職給付引当金残高 (B) | 229,928 | 8,078 | 949 | 220,899 | 1,308,231 | 717,767 |
退職給付引当金不足額 (A)-(B) | 57,795 | 0 | 0 | 57,795 | 247,334 | 125,305 |
(1) 経営成績
(単位 : 千円)
区分 |
病院 |
水道 |
下水道 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
医療センター |
リハビリ病院 |
佐久間病院 |
|||||
営業収益 |
4,278,405 | 275,735 | 3,503,815 | 498,854 | 10,471,878 | 11,761,747 | |
営業費用 |
8,027,566 | 3,108,423 | 3,800,776 | 1,118,366 | 10,926,093 | 16,125,624 | |
営業損益 |
△ 3,749,161 | △ 2,832,688 | △ 296,960 | △ 619,511 | △ 454,215 | △ 4,363,876 | |
営業外収益 |
4,804,158 | 3,692,939 | 427,655 | 683,562 | 1,242,616 | 9,028,738 | |
営業外費用 |
441,883 | 291,792 | 91,313 | 58,778 | 383,303 | 2,525,082 | |
経常損益 | 613,113 | 568,458 | 39,381 | 5,272 | 405,097 | 2,139,778 | |
特別利益 |
31,315 | 1,857 | 451 | 29,006 | 3,387 | 13,177 | |
特別損失 |
407,815 | 366,501 | 16,625 | 24,688 | 7,408 | 45,753 | |
当年度純損益 | 236,613 | 203,814 | 23,208 | 9,589 | 401,076 | 2,107,203 | |
当年度未処分利益剰余金 (△未処理欠損金) |
4,294,231 | 4,424,793 | △ 251,167 | 120,605 | 1,701,886 | 4,437,753 |
2年度の経営成績は、浜松医療センター(以下、「医療センター」という。)、浜松市リハビリテーション病院(以下、「リハビリ病院」という。)、佐久間病院、水道事業及び下水道事業で純利益を計上している。
経常損益の推移
ア 病院事業
イ 水道事業
2年度は、主として営業外収益の長期前受金戻入9,268万円の減により、経常利益が減少している。
ウ 下水道事業
2年度は、主として営業収益の下水道使用料6,813万円の減により、経常利益が減少している。
(2) 財政状態
(単位:千円)
区分 |
病院 |
水道 |
下水道 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
医療センター |
リハビリ病院 |
佐久間病院 |
|||||
固定資産 |
26,148,830 | 17,641,158 | 6,784,020 | 1,723,651 | 109,619,524 | 336,842,568 | |
流動資産 |
4,309,748 | 2,718,410 | 955,034 | 640,829 | 13,694,905 | 7,770,598 | |
(前年度資産合計) |
(30,427,561) | (20,245,476) | (7,878,482) | (2,303,602) | (123,422,650) | (351,710,055) | |
資産合計 | 30,458,579 | 20,359,569 | 7,739,055 | 2,364,481 | 123,314,429 | 344,613,167 | |
固定負債 |
13,565,667 | 8,160,653 | 4,797,744 | 607,269 | 24,030,860 | 133,860,261 | |
流動負債 |
2,862,858 | 2,055,444 | 538,491 | 273,448 | 5,236,988 | 15,268,722 | |
繰延収益 |
1,361,448 | 667,486 | 116,668 | 577,292 | 20,693,916 | 139,765,898 | |
(前年度負債計) |
(17,995,569) | (10,973,306) | (5,615,540) | (1,406,721) | (50,471,256) | (299,075,852) | |
負債計 |
17,789,974 | 10,883,584 | 5,452,904 | 1,458,011 | 49,961,765 | 288,894,883 | |
資本金 |
3,639,993 | 2,966,080 | 56,685 | 617,227 | 69,339,205 | 49,557,692 | |
資本剰余金 |
4,121,255 | 1,471,986 | 2,480,631 | 168,637 | 19,126 | 1,722,838 | |
利益剰余金(欠損金) |
4,907,356 | 5,037,918 | △ 251,167 | 120,605 | 3,994,331 | 4,437,753 | |
(前年度資本計) |
(12,431,992) | (9,272,169) | (2,262,942) | (896,880) | (72,951,394) | (52,634,203) | |
資本計 |
12,668,605 | 9,475,984 | 2,286,150 | 906,470 | 73,352,663 | 55,718,284 | |
(前年度負債資本合計) |
(30,427,561) | (20,245,476) | (7,878,482) | (2,303,602) | (123,422,650) | (351,710,055) | |
負債資本合計 | 30,458,579 | 20,359,569 | 7,739,055 | 2,364,481 | 123,314,429 | 344,613,167 |
(注)病院間の内部取引があるため、各病院の流動資産と流動負債の計は、病院全体の計数と一致しない。
ア 病院事業
資産の総額は304億5,857万円で、元年度に比べて、3,101万円(0.1%)増加している。
負債の総額は177億8,997万円で、元年度に比べて、2億559万円(1.1%)減少し、資本の総額は126億6,860万円で、元年度に比べて、2億3,661万円(1.9%)増加している。
イ 水道事業
資産の総額は1,233億1,442万円で、元年度に比べて、1億822万円(0.1%)減少している。
負債の総額は499億6,176万円で、元年度に比べて、5億949万円(1.0%)減少し、資本の総額は733億5,266万円で、元年度に比べて、4億126万円(0.6%)増加している。
ウ 下水道事業
資産の総額は3,446億1,316万円で、元年度に比べて、70億9,688万円(2.0%)減少している。
負債の総額は2,888億9,488万円で、元年度に比べて、101億8,096万円(3.4%)減少し、資本の総額は557億1,828万円で、元年度に比べて、30億8,408万円(5.9%)増加している。
資産・負債・資本の構成内訳
(注) 表中の金額は、億円未満を端数調整している。
(3) キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
区分 |
病院 |
水道 |
下水道 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
医療センター |
リハビリ病院 |
佐久間病院 |
|||||
業務活動によるキャッシュ・フロー | 1,429,726 | 1,168,876 | 197,984 | 62,864 | 4,269,375 | 9,275,143 | |
当年度純損益 |
236,613 | 203,814 | 23,208 | 9,589 | 401,076 | 2,107,203 | |
減価償却費 |
1,371,264 | 1,042,610 | 239,359 | 89,295 | 4,709,936 | 12,518,895 | |
長期前受金戻入額 |
△ 192,286 | △ 50,926 | △ 94,377 | △ 46,982 | △ 1,167,178 | △ 6,063,843 | |
その他 |
14,134 | △ 26,622 | 29,794 | 10,962 | 325,541 | 712,887 | |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △ 995,316 | △ 1,032,139 | 26,024 | 10,798 | △ 5,403,929 | △ 5,107,717 | |
有形固定資産の取得による支出 |
△ 1,284,298 | △ 1,175,449 | △ 58,935 | △ 49,913 | △ 6,173,158 | △ 7,566,505 | |
国庫補助金等による収入 |
117,547 | 117,547 | 0 | 0 | 16,370 | 2,234,884 | |
一般会計負担金等による収入 |
175,415 | 25,431 | 86,332 | 63,652 | 389,224 | 0 | |
その他 |
△ 3,980 | 332 | △ 1,372 | △ 2,940 | 363,634 | 223,904 | |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △ 363,612 | △ 171,512 | △ 146,096 | △ 46,002 | △ 308,044 | △ 4,262,115 | |
建設改良費等の財源に充てるため |
978,200 | 908,900 | 69,300 | 0 | 1,633,100 | 7,277,700 | |
建設改良費等の財源に充てるため |
△ 1,326,767 | △ 1,080,412 | △ 215,396 | △ 30,957 | △ 1,808,634 | △ 12,615,999 | |
その他 |
△ 15,044 | 0 | 0 | △ 15,044 | △ 132,509 | 1,076,183 | |
資金増減額 | 70,797 | △ 34,775 | 77,912 | 27,659 | △ 1,442,598 | △ 94,689 | |
資金期首残高 | 2,788,752 | 2,024,242 | 280,567 | 483,942 | 13,877,251 | 5,593,636 | |
資金期末残高 | 2,859,549 | 1,989,467 | 358,480 | 511,602 | 12,434,653 | 5,498,946 |
ア 病院事業
業務活動で14億2,972万円の資金を生み出しているものの、投資活動で9億9,531万円、財務活動で3億6,361万円の資金を費消している。この結果、2年度は7,079万円の資金が増加し、資金の期末残高は、28億5,954万円となっている。
資金の増減額を病院別にみると、リハビリ病院で7,791万円、佐久間病院で2,765万円増加しているものの、医療センターで3,477万円減少している。
イ 水道事業
業務活動で42億6,937万円の資金を生み出しているものの、投資活動で54億392万円、財務活動で3億804万円の資金を費消している。この結果、2年度は14億4,259万円の資金が減少し、資金の期末残高は、124億3,465万円となっている。
ウ 下水道事業
業務活動で92億7,514万円の資金を生み出しているものの、投資活動で51億771万円、財務活動で42億6,211万円の資金を費消している。この結果、2年度は9,468万円の資金が減少し、資金の期末残高は、54億9,894万円となっている。
(4) 企業債
(単位 金額:千円、比率:%)
区分 |
病院 |
水道 |
下水道 |
合計 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|
医療センター |
リハビリ病院 |
佐久間病院 |
|||||
借入額 | 656,900 | 615,100 | 41,800 | 0 | 1,633,100 | 7,277,700 | 9,567,700 |
償還額 | 1,326,767 | 1,080,412 | 215,396 | 30,957 | 1,808,634 | 12,615,999 | 15,751,401 |
未償還残高 | 14,702,033 | 9,340,805 | 5,020,591 | 340,635 | 24,463,136 | 145,632,215 | 184,797,384 |
支払利息及び企業債取扱諸費 | 325,714 | 246,027 | 73,325 | 6,361 | 382,197 | 2,407,705 | 3,115,617 |
利子負担率 | 2.15 | 2.57 | 1.44 | 1.44 | 1.54 | 1.62 | 1.65 |
(注)利子負担率=支払利息及び企業債取扱諸費/平均(企業債+借入金+リース債務)×100
企業債未償還残高は、3事業全体で1,847億9,738万円である。
事業別にみると、下水道事業が最も多く1,456億3,221万円、次いで水道事業244億6,313万円、病院事業のうち医療センター93億4,080万円となっている。
企業債未償還残高の削減に向けて企業債発行を抑制する取組を推進しており、3事業全体で企業債残高が減少している。
企業債未償還残高の推移
(5) 一般会計繰入金
(単位 金額:千円、比率:%)
区分 |
病院 |
水道 |
下水道 |
合計 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
医療センター |
リハビリ病院 |
佐久間病院 |
||||||
一般会計繰入金 | 2,688,903 | 1,679,374 | 405,492 | 604,037 | 567,849 | 5,938,411 | 9,195,164 | |
収益的収入 |
2,525,464 | 1,653,943 | 316,673 | 554,848 | 193,858 | 4,961,534 | 7,680,856 | |
収益に対する繰入率 |
27.7 | 41.7 | 8.1 | 45.8 | 1.7 | 23.8 | 18.4 | |
資本的収入 |
163,439 | 25,431 | 88,819 | 49,189 | 373,991 | 976,877 | 1,514,308 |
(注)この表には、地方公営企業法第17条の2に基づく繰入金のほか、任意による繰入金を含む。
また、水道事業には「飲料水供給施設業務負担金」を、下水道事業には「合併処理浄化槽設置業務負担金」を含む。
一般会計から企業会計への繰入金は、3事業全体で91億9,516万円である。
事業別にみると、下水道事業が最も多く59億3,841万円、次いで病院事業のうち医療センター16億7,937万円、佐久間病院が6億403万円となっている。
収益的収入に対する繰入率は、病院事業のうち佐久間病院が最も高く45.8%、次いで病院事業のうち医療センター41.7%、下水道事業23.8%となっている。
一般会計繰入金の推移
(1) 総括
人口減少・超高齢社会、インフラ等の老朽化、激甚化する自然災害などの課題に追い打ちをかけるように新型コロナウイルス感染症は、市民生活と本市行財政に大きなインパクトを与えている。公営企業は、このような状況下においても市民の福祉を増進するため、常に継続性、安定性を維持したサービスを市民に提供していくことが求められている。
病院事業においては、新型コロナウイルス感染症への対応に伴う感染症患者の受入れや、病棟・外来診療の一部閉鎖などの状況は損益に影響を及ぼし、厳しい経営状態が続いた。
医療センターにおいては、地域医療機関との連携及び役割分担のもと、質の高い救急医療、小児・周産期医療、感染症医療、災害その他の緊急時における医療等の政策的医療やがん診療等の高度医療を提供することに加え、重点医療機関として新型コロナウイルス感染症患者の治療へ積極的に対応した。
リハビリ病院においては、地域のリハビリテーション医療の中核を担う病院として、職場・社会への早期復帰、在宅復帰を目指した専門的かつ高度なリハビリテーション医療を提供してきた。また歩行リハビリテーション訓練支援ロボット「ウェルウォーク」などの先進医療を導入し効率良く運用することにより、高いリハビリテーション効果が得られた。
佐久間病院においては、老朽化した設備を更新するなど医療体制の整備に努めるとともに、コロナ禍においても安心して医療を受けられるよう保健や福祉と連携して地域住民の健康維持に取り組んだ。
3病院においては、入院・外来患者数ともに前年度実績を下回ったが、新型コロナウイルス感染症対策関係の国・県支出金を利用することで、経常収支比率が100%を超える等経営の安定を保つことができた。今後、新たな新公立病院改革プランを策定する際、それに基づく取組を着実に推進するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響も注視しつつ、的確な予算編成と適切かつ効率的な予算執行に意を用いながら、資金計画の適切な進捗管理を絶えず行い、引き続き健全な病院経営に努められたい。
水道事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響により在宅時間が増えたことなどから、一般用の有収水量は増加し、業務用等の有収水量は減少した。損益計算において、収益、費用及び純利益は元年度に比べ減少したものの、損益は黒字となっている。今後は、資金残高の減少が見込まれており、健全経営に向けた収支の検証が必要である。また、水道事業中期財政計画や浜松市水道事業アセットマネジメント計画等の進捗状況の検証や見直しをするなかで、引き続き安定した事業を運営するよう努められたい。
下水道事業においては、下水道使用料の減少や営業費用の増加などにより経常利益及び純利益は元年度に比べ減少しているものの、浜松市公共下水道終末処理場(西遠処理区)をコンセッション方式により運営するなど経営改善に努め損益は黒字となっている。今後は下水道接続率の向上による使用料の収入増加など更なる経営努力が必要である。また、浜松市下水道事業経営プラン2020-2024の施策目標達成に向け、進捗状況の検証や見直しをするなかで、引き続き安定した事業を運営するよう努められたい。
なお、地方公営企業法の改正により26年度から導入されたセグメント情報の開示は、経営分析のツールとしても、市民への説明責任を果たす上でも有効であることは既に述べたところであり、水道事業及び下水道事業においては、セグメント情報の開示に向け、着実に取り組まれたい。
公営企業では、人口減少に伴う需要の減少や、施設等の老朽化に伴う更新需要、地震や集中豪雨による災害への対応などにより、中長期的に経営は厳しさを増すものと考えられる。加えて、20年のリーマンショック、今回の新型コロナウイルス感染症と同程度の影響を及ぼす新たな災禍も想定しておく必要がある。このような厳しい経営環境のなか、市民の日常を支える各企業にあっては、求められるサービスを将来にわたり安定的に提供できるよう、各企業で定めている中期的な計画を基に更なる改革・改善に取り組み、持続可能な経営基盤の確立に引き続き努められたい。
なお、事業会計ごとに意見を述べる。
(2) 病院事業会計
患者数及び医師の確保について(佐久間病院)
【現状及び課題】
【意見】
(3) 水道事業会計
水道料金と有収率について
【現状及び課題】
【意見】
(4) 下水道事業会計
下水道接続率の向上について
【現状及び課題】
【意見】
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