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更新日:2023年9月8日
この審査は、浜松市監査基準(令和2年浜松市監査委員告示第2号)に準拠して実施した。
上記決算に関する証書類、事業報告書、キャッシュ・フロー計算書、収益費用明細書、固定資産明細書及び企業債明細書
令和5年5月31日から同年7月31日まで
4年度浜松市公営企業会計の各事業会計決算について、
を着眼点とし、検証した。
審査手続については、試査を基礎として行い、決算諸表と会計帳簿、預金残高証明書等の証拠書類と照合し、計数の確認のほか、関係職員から説明を聴取し、上記の着眼点に基づき審査を行った。
各事業会計の決算書とその附属書類は法令に基づき作成されており、決算諸表の計数はいずれも正確で、予算執行状況、経営成績及び財政状態に係る表示並びに事業の運営状況については、おおむね適正であると認められた。
4年度末における退職手当要支給額、退職給付引当金残高
(単位:千円)
区分 |
病院 |
水道 |
下水道 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
医療センター |
リハビリ病院 |
佐久間病院 |
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退職手当要支給額 (A) | 272,808 | 1,356 | 10,533 | 260,918 | 1,483,892 | 738,029 |
退職給付引当金残高 (B) | 253,543 | 1,356 | 10,533 | 241,652 | 1,483,892 | 738,029 |
退職給付引当金不足額 (A)-(B) | 19,265 | 0 | 0 | 19,265 | 0 | 0 |
(1) 経営成績
(単位:千円)
区分 |
病院 |
水道 |
下水道 |
||||
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医療センター |
リハビリ病院 |
佐久間病院 |
|||||
営業収益 |
4,570,734 | 317,726 | 3,715,765 | 537,242 | 10,370,406 | 11,840,227 | |
営業費用 |
8,108,462 | 2,984,005 | 3,996,911 | 1,127,545 | 11,457,068 | 15,908,866 | |
営業損益 |
△ 3,537,728 | △ 2,666,279 | △ 281,145 | △ 590,303 | △ 1,086,661 | △ 4,068,639 | |
営業外収益 |
4,291,040 | 3,292,720 | 445,192 | 553,127 | 1,187,637 | 8,142,563 | |
営業外費用 |
373,515 | 236,437 | 83,758 | 53,320 | 370,415 | 2,069,365 | |
経常損益 | 379,796 | 390,003 | 80,288 | △ 90,495 | △ 269,439 | 2,004,559 | |
特別利益 |
33,132 | 31,486 | 1,466 | 180 | 83,335 | 120,982 | |
特別損失 |
17,236 | 0 | 16,961 | 274 | 28,354 | 29,340 | |
当年度純損益 | 395,691 | 421,489 | 64,792 | △ 90,590 | △ 214,457 | 2,096,201 | |
当年度未処分利益剰余金 (△未処理欠損金) |
5,776,232 | 5,754,011 | △ 144,363 | 166,584 | 675,000 | 4,239,034 |
※詳細は、「病院事業会計」P23~、「水道事業会計」P81~、「下水道事業会計」P105~参照
参考:経常損益の推移
ア 病院事業
イ 水道事業
4年度は、主として営業収益の給水収益1億5,500万円の減及び営業費用の原水及び浄水費1億4,981万円の増加により、経常損失2億6,943万円を計上している。
ウ 下水道事業
4年度は、主として営業外費用の企業債利息2億2,516万円が減少したものの、営業費用の管きょ費1億3,684万円及び総係費1億2,854万円の増加により、経常利益が減少している。
(2) 財政状態
(単位:千円)
区分 |
病院 |
水道 |
下水道 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
医療センター |
リハビリ病院 |
佐久間病院 |
|||||
固定資産 |
34,578,029 | 26,681,868 | 6,339,606 | 1,556,553 | 111,803,109 | 323,634,406 | |
流動資産 |
14,395,173 | 12,627,774 | 1,062,760 | 718,797 | 11,201,329 | 7,312,695 | |
(前年度資産合計) |
(36,171,565) | (26,241,262) | (7,569,309) | (2,370,875) | (123,027,562) | (339,730,512) | |
資産合計 | 48,973,202 | 39,309,643 | 7,402,367 | 2,275,351 | 123,004,438 | 330,947,102 | |
固定負債 |
22,228,324 | 17,349,507 | 4,337,410 | 541,406 | 24,077,858 | 122,266,916 | |
流動負債 |
11,020,495 | 10,207,161 | 570,197 | 257,295 | 5,016,896 | 14,030,710 | |
繰延収益 |
1,249,884 | 623,878 | 101,805 | 524,200 | 20,541,521 | 132,841,353 | |
(前年度負債計) |
(22,092,758) | (15,533,656) | (5,241,147) | (1,327,835) | (49,445,130) | (280,930,985) | |
負債計 |
34,498,703 | 28,180,547 | 5,009,413 | 1,322,902 | 49,636,277 | 269,138,980 | |
資本金 |
3,639,993 | 2,966,080 | 56,685 | 617,227 | 71,979,205 | 55,846,248 | |
資本剰余金 |
4,121,273 | 1,472,003 | 2,480,631 | 168,637 | 19,509 | 1,722,838 | |
利益剰余金(欠損金) |
6,713,232 | 6,691,011 | △ 144,363 | 166,584 | 1,369,445 | 4,239,034 | |
(前年度資本計) |
(14,078,807) | (10,707,606) | (2,328,161) | (1,043,039) | (73,582,431) | (58,799,527) | |
資本計 |
14,474,499 | 11,129,095 | 2,392,954 | 952,449 | 73,368,160 | 61,808,121 | |
(前年度負債資本合計) |
(36,171,565) | (26,241,262) | (7,569,309) | (2,370,875) | (123,027,562) | (339,730,512) | |
負債資本合計 | 48,973,202 | 39,309,643 | 7,402,367 | 2,275,351 | 123,004,438 | 330,947,102 |
(注)病院間の内部取引があるため、各病院の流動資産と流動負債の計は、病院全体の計数と一致しない。
※詳細は、「病院事業会計」P23~、「水道事業会計」P81~、「下水道事業会計」P105~参照
資産・負債・資本の構成内訳
ア 病院事業
(注) 表中の金額は、億円未満を端数調整している。
【説明】
公営企業会計は、一般会計で採用される官公庁会計と異なり、民間の企業会計原則の考え方を取り入れているが、地方公営企業の特殊性から一般の企業会計とは異なるルールが存在する。
公営企業は、負担区分原則に基づき一般会計等から負担金や補助金を受領するが、固定資産を取得するうえで、受領した財源(補助金・負担金等)を長期前受金として計上し、固定資産の耐用年数に応じて将来に繰り延べる。ただし、繰延収益は、返済不要の財源であるため、財務指標の算定には資本金及び剰余金同様に自己資本に含めて計算する。
ア 病院事業
イ 水道事業
過年度から利益処分により資本増強を行ってきたことから、自己資本、とりわけ資本金の構成比が高い。
ウ 下水道事業
資産規模は5会計中最も大きい。補助金等により取得した固定資産が多く、繰延収益の占める割合が高い。毎年度、一般会計から約9億円の出資受入れがあるほか、近年は利益処分による資本増強が行われたことから、資本金が増えている。
※主な財務等に関する比率は、「病院事業会計」P49、「水道事業会計」P91、「下水道事業会計」P114参照。財務分析比率表は、「病院事業会計」P72~P77、「水道事業会計」P100~P101、「下水道事業会計」P124~P125参照
(3) キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
区分 |
病院 |
水道 |
下水道 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
医療センター |
リハビリ病院 |
佐久間病院 |
|||||
業務活動によるキャッシュ・フロー | 2,370,310 | 2,207,339 | 153,598 | 9,372 | 3,585,935 | 8,907,590 | |
当年度純損益 |
395,691 | 421,489 | 64,792 | △ 90,590 | △ 214,457 | 2,096,201 | |
減価償却費 |
1,302,230 | 986,122 | 231,376 | 84,731 | 4,782,744 | 12,447,494 | |
長期前受金戻入額 |
△ 263,998 | △ 112,564 | △ 101,692 | △ 49,741 | △ 1,120,004 | △ 5,604,530 | |
その他 |
936,387 | 912,292 | △ 40,878 | 64,973 | 137,653 | △ 31,575 | |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △ 3,124,592 | △ 3,187,655 | 52,652 | 10,410 | △ 4,682,259 | △ 5,425,820 | |
有形固定資産の取得による支出 |
△ 3,342,168 | △ 3,290,898 | △ 42,738 | △ 8,532 | △ 5,109,536 | △ 7,415,289 | |
国庫補助金等による収入 |
39,517 | 38,692 | 0 | 825 | 4,099 | 1,822,168 | |
一般会計負担金等による収入 |
187,124 | 69,835 | 95,391 | 21,898 | 372,824 | 0 | |
その他 |
△ 9,065 | △ 5,285 | 0 | △ 3,780 | 50,353 | 167,300 | |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 6,947,313 | 7,222,989 | △ 230,627 | △ 45,048 | △ 417,343 | △ 5,341,623 | |
建設改良費等の財源に充てるため |
8,423,500 | 8,423,500 | 0 | 0 | 1,649,400 | 6,214,400 | |
建設改良費等の財源に充てるため |
△ 1,456,436 | △ 1,200,510 | △ 230,627 | △ 25,299 | △ 1,914,405 | △ 12,567,721 | |
その他 |
△ 19,749 | 0 | 0 | △ 19,749 | △ 152,337 | 1,011,698 | |
資金増減額 | 6,193,031 | 6,242,672 | △ 24,375 | △ 25,264 | △ 1,513,666 | △ 1,859,853 | |
資金期首残高 | 6,208,838 | 5,171,425 | 411,350 | 626,061 | 11,462,601 | 7,221,957 | |
資金期末残高 | 12,401,870 | 11,414,098 | 386,975 | 600,796 | 9,948,934 | 5,362,104 |
※詳細は、「病院事業会計」P23~、「水道事業会計」P81~、「下水道事業会計」P105~参照
(4) 企業債
(単位 金額:千円、比率:%)
区分 |
病院 |
水道 |
下水道 |
合計 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|
医療センター |
リハビリ病院 |
佐久間病院 |
|||||
借入額 | 8,423,500 | 8,423,500 | 0 | 0 | 1,649,400 | 6,214,400 | 16,287,300 |
償還額 | 1,456,436 | 1,200,510 | 230,627 | 25,299 | 1,914,405 | 12,567,721 | 15,938,563 |
未償還残高 | 23,355,202 | 18,498,563 | 4,566,167 | 290,471 | 23,929,312 | 133,645,853 | 180,930,368 |
支払利息及び企業債取扱諸費 | 269,683 | 197,591 | 66,628 | 5,463 | 314,199 | 1,936,030 | 2,519,913 |
利子負担率 | 1.35 | 1.33 | 1.42 | 1.49 | 1.29 | 1.41 | 1.39 |
(注)利子負担率=支払利息及び企業債取扱諸費/平均(企業債+借入金+リース債務)×100
企業債未償還残高は、3事業全体で1,809億3,036万円である。
事業別にみると、下水道事業が最も多く1,336億4,585万円、次いで水道事業239億2,931万円、病院事業のうち医療センター184億9,856万円となっている。
借入の主なものは、病院事業の医療センター新病院整備資金84億2,350万円、水道事業の上水道安全対策事業費16億4,940万円、下水道事業の公共下水道事業費48億4,330万円である。
参考:企業債未償還残高の推移
(5) 一般会計繰入金
(単位 金額:千円、比率:%)
区分 |
病院 |
水道 |
下水道 |
合計 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
医療センター |
リハビリ病院 |
佐久間病院 |
||||||
一般会計繰入金 | 2,665,400 | 1,744,093 | 404,345 | 516,962 | 676,669 | 5,662,413 | 9,004,482 | |
収益的収入 |
2,477,669 | 1,674,258 | 308,859 | 494,552 | 269,874 | 4,745,336 | 7,492,879 | |
収益に対する繰入率 |
25.8 | 38.4 | 7.4 | 45.3 | 2.3 | 23.6 | 18.1 | |
資本的収入 |
187,731 | 69,835 | 95,486 | 22,410 | 406,794 | 917,077 | 1,511,602 |
(注)この表には、地方公営企業法第17条の2に基づく繰入金のほか、任意による繰入金を含む。
また、水道事業には「飲料水供給施設業務負担金」を、下水道事業には「合併処理浄化槽設置業務負担金」を含む。
一般会計から企業会計への繰入金は、3事業全体で90億448万円である。
事業別にみると、下水道事業が最も多く56億6,241万円で、主なものは分流式下水道等に要する経費(汚水資本費に対する公費負担)24億5,709万円となっている。次いで病院事業のうち医療センター17億4,409万円で主なものは公立病院運営経費12億1,984万円、水道事業6億7,666万円で主なものは簡易水道事業統合に伴う企業債元利償還金に要する経費3億3,711万円となっている。
3事業全体で減少傾向にあり、主に下水道事業の分流式下水道等に要する経費の減少によるものである。
参考:一般会計繰入金の推移
(1) 総括
4年度は、コロナ禍で続いた行動制限の緩和やアフターコロナの新しい生活様式の確立に向けた社会の変化が見られたなか、ロシアによるウクライナ侵攻や円安等を背景としたエネルギー価格等の高騰などにより、公営企業を取り巻く環境は厳しい状況であった。
経営環境が大きく変化し、将来の予測が困難な状況にあっても、各企業は社会経済情勢の変化に柔軟に対応しつつ市民生活に極力影響を及ぼさないよう対策を講じながら、堅実に業務を継続している。
病院事業では、コロナ禍における受診控えなどにより悪化した入院及び外来の患者数が影響のなかった元年度の水準に回復していない。さらに、電気及び燃料の使用料金の高騰も経営に大きな影響を与えた。このような状況においても、新型コロナウイルス感染症及び物価高騰対策などに関する国・県補助金を活用したことにより、病院事業会計全体では当年度純利益となり、安定した経営が確保できた。
医療センターにおいては、新型コロナウイルス感染症の専用病床を増床したことから、3年度に引き続き、入院患者数及び病床利用率が減少した。また、3年度に確保した新型コロナウイルス感染症の中等症以上の患者専用病床を、4年度は通常の病床としたことなどによって県補助金による補償が大幅に減少した一方で、手術件数の増加等により1人当たりの診療単価が向上し、入院収益及び外来収益が増加した。
リハビリ病院においては、新型コロナウイルス感染症のまん延に伴う職員及び患者への感染予防の観点から外来患者の受入制限を継続したものの、外来患者数は3年度より回復している。また、入院患者数及び病床利用率については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による入院制限の影響などにより減少が見られたものの、病床利用率は90%以上の高い水準が維持できている。
佐久間病院においては、主な医療圏の人口減少が続いていることから入院患者数は減少したものの、新型コロナウイルス感染症の影響による受診控えに収束傾向が見られたことから外来患者数は増加した。
3病院においては、エネルギー価格高騰などの社会経済情勢の変化による影響を受けたものの、新型コロナウイルス感染症に係る国・県補助金等の活用により、3年度に引き続き安定した経営を維持することができている。今後、新型コロナウイルス感染症の収束に向けた国・県補助金等の削減も想定されることから、患者数の回復及び診療単価上昇などによる収益確保に努められたい。
水道事業及び下水道事業においては、エネルギー価格高騰による電気使用料金の値上がりにより動力費が大幅に増加した。節電や省エネルギー対策に取り組んだほか、国の交付金を活用した一般会計交付金の繰入れにより影響を抑えることができたものの、経常収支比率悪化の一因となった。また、上下水道キッズサイト「すいすいクラブ」による広報活動を行ったほか、低予算でマンホール蓋の情報収集を図るイベントを企画するなど、職員の創意工夫により積極的な取組を行った。
水道事業においては、有収水量の減少などにより営業収益が減少したことに加え、動力費などの高騰の影響によって営業費用は大きく増加した。損益計算においては、平成7年度以来27年ぶりとなる純損失を計上している。今後の資金残高の減少見込みなども踏まえ、早急に料金改定について検討し、安定した事業運営に努められたい。また、基幹管路耐震化の完了年度を6年度から10年度に延長した管路耐震対策については、発生可能性が高まっている南海トラフ地震が及ぼす被害と市民への影響を考慮し、7年度以後の実施が必要な耐震工事を先に行うなどの計画の変更を検討されたい。
下水道事業においては、動力費の大幅な増加がみられたものの、29年度以降、6期連続で純利益を計上し、安定した経営を続けている。電力消費の大きな施設を抱える下水道事業にとって、動力費の増加は経営に与える影響が大きいことから、今後も動向を注視するとともに必要な対策を検討・実施し、引き続き安定的な経営に努められたい。また、4年度においては、アセットマネジメント計画に基づく耐震化や老朽化対策、浸水対策などの重要な施策を着実に実施した。今後も良好な下水道サービスを持続的に提供するため、老朽化対策や災害対策などの必要な投資を将来に先送りすることなく確実に執行されたい。
各企業は、人口減少等に伴うサービス需要の減少、施設の老朽化に伴う更新需要の増大、近年の集中豪雨や台風等の自然災害の頻発に加えデジタル化や脱炭素化などの時代の変化への対応など様々な課題に直面している。引き続き厳しい経営環境が予想されるなかで、経営上の懸念材料となり得る新型コロナウイルス感染症やエネルギー価格高騰への対応など、目まぐるしく変化する社会経済情勢において様々な課題に適切に対処する必要がある。今後においても、公営企業の本来の役割である公共の福祉増進のため、将来にわたり安定的にサービスを提供することができるよう経営基盤の強化により一層努められたい。
次に、事業会計ごとに意見を述べる。
(2) 病院事業会計
ア 新病院整備事業(新病院棟工事)について(医療センター)
【現状及び課題】
【意見】
イ 持続可能な病院経営について(佐久間病院)
【現状及び課題】
【意見】
(3) 水道事業会計
水道料金について
【現状及び課題】
【意見】
(4) 下水道事業会計
浜松市下水道終末処理場(西遠処理区)運営事業における第1期の改築業務について
【現状及び課題】
【意見】
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