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更新日:2024年4月11日

男女共同参画推進のための情報誌「ハーモニー」No.30

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特集:変わる家庭観と職業観

・「昭和モデル」から、すべての人が希望に応じて活躍できる「令和モデル」へ(令和5年度版男女共同参画白書より)

・漫画を通してみる新しい家庭観・職業観

・現役大学生に聞いてみた「変わる働き方と家族の形についてどう思う?」

インタビュー:災害と男女共同参画「災害現場で必要な”企画力”育成を」

30号記念「ハーモニーのあゆみ」

昭和モデルからすべての人が希望に応じて活躍できる令和モデルへ

時代とともに家族の姿は変化し人生は多様化していますが、いまだに「女性・男性はこうあるべき」といった固定的な性別役割分業の考え方が残っているという現実もあります。しかし、人生100年時代を迎え、若い世代を中心に生活様式や働き方についての意識は変わりつつあります。今こそ「男性は仕事、女性は家庭」という考え方の「昭和モデル」の社会から、誰もが希望に応じて家庭や仕事で活躍のしかたを選択できる「令和モデル」の実現へ向かうときです。内閣府が毎年発行している男女共同参画白書(令和5年版)から、家族の変化、女性の働き方、若い世代の意識を見てみましょう。

家族の姿の変化・共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移

<家族の姿の変化>

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全世帯の40.0%を占めていた夫婦と子供世帯が減少し、単独世帯・ひとり親世帯の合計が47.0%になりました。

 

<共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移>

1-2

共働き世帯が専業主婦世帯の3倍になっています。

年代別女性の就業率・家事関連時間の妻の分担割合の推移

<年代別女性の就業率>

2-3

どの世代でも女性の就業率は上昇しています。

 

<家事関連時間の妻の分担割合の推移>

2-4

妻の家事・育児の負担割合は徐々に減っているけれど、依然として高い割合を示しています。

理想のライフコース

若い世代の結婚後の理想のライフコースは男女とも「両立コース(※1)」が「再就職コース(※2)」を上回っています。

<未婚女性(18~34歳)の理想>

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再就職コース26.1%に対し両立コースは34.0%となっています。

<将来のパートナーに対する未婚男性(18~34歳)の期待>

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 再就職コース29%に対し両立コースは39.4%となっています。

※1 結婚し子どもをもち、仕事も続ける

※2 結婚し子どもを持つが、結婚あるいは出産の機会にいったん退職し、子育て後に再び仕事をもつ

生活の中の時間増減希望

女性は「仕事の時間を増やしたい、家事・育児の時間を減らしたい」男性は「家事・育児の時間を増やしたい、仕事の時間を減らしたい」という傾向がみられます。

1

家庭観・職業観が変化する今こそ、令和モデルの実現へ

固定的な性別役割分業を前提としたサラリーマン夫と専業主婦「昭和モデル」から

全ての人が希望に応じて家庭でも仕事でも活躍のしかたを選択できる社会「令和モデル」へ

~実現のために特に優先すべきこと~

☆ 男女ともに自分の希望が満たされ、能力を最大限に発揮して仕事ができる環境の整備

☆ 男女ともに仕事と家事・育児等のバランスが取れた生活を送ることができること

☆ これらを下支えする前提としての女性の経済的自立

漫画を通してみる新しい家庭観・職業観

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ドラマ・小説・漫画などで描かれる登場人物や社会状況。それぞれの作品はその時代を切り取り、家庭観や職業観を私たちに示してきました。戦後まもなく新聞の4コマ漫画として連載がはじまった『サザエさん』では、三世代同居家族の姿を描いています。時は過ぎ高度経済成長期とともに働く女性や核家族が増え、1985年には男女雇用機会均等法が成立しました。しかしまだ「女性は家庭、男性は仕事」という意識が強い時代のなか、翌年に登場した『クッキングパパ』では「料理をする男性、働く女性」という新しい姿が描かれました。一方で、同時期の『ちびまる子ちゃん』、バブル崩壊後に登場した『クレヨンしんちゃん』は、依然として夫と専業主婦、その子どもを中心とした家族の日常を描いており、過渡期にあることがうかがえます。1991年にバブル経済が崩壊すると、社会の価値観は大きく変化しました。夫婦を中心とした核家族から、若者や高齢者の単独世帯が増加していきます。2000年代になると、『きのう何食べた?』『違国日記』のように同性パートナーや血縁関係のない家族など、多様な家族の形をテーマにした作品が登場するようになります。「寿退社」「永久就職」などといった言葉は女性の生き方を表現するのにふさわしくないという風潮となっていきましたが、依然として「仕事か家庭か」と悩む女性は多く、その選択は簡単ではありませんでした。『キャリア こぎつね きんのまち』『ちひろさん』『海が走るエンドロール』に登場する女性たちは、職業や自分の人生と向き合い、女性の生き方は「こうあるべき」という考え方に悩み、恋愛・結婚・家族だけが女性の幸せなのかという疑問を読者に問いかけます。『逃げるは恥だが役に立つ』では、家事労働の対価やさまざまな結婚の形という視点が取り上げられ話題になりました。漫画は娯楽のためだけではなく、目まぐるしく変化していく社会を反映している家庭観や職業観、そして「〇〇らしさ」を乗り越えていく人々の姿といった社会の多様性をいち早く反映してきたことが分かります。

 

 

現役大学生にきいてみた「変わる働き方と家族の形についてどう思う?」

若い世代は親世代に比べ、働き方や生活様式についての意識が変わってきていると言われていますが、実際はどうなのでしょうか。静岡大学で社会学を学ぶ学生さんに話を聞きました。

 

1 2 3

川本怜さん(3年) 大和柊哉さん(4年) 酒井晴名さん(4年) 

3名とも静岡大学・情報学部・情報社会学科(笹原研究室)

笹原研究室:インタビューやアンケート調査といった社会調査の手法を用いて、ジェンダー、女性の労働、地域自治などの社会学的研究を行っている。

 

―就職活動中に、就職先を選択・決定する上で意識するポイントは何ですか?

大和:就活では、勤務地は実家から近いところを、ほかに勤務時間、残業時間、年間の休みなどを見て会社を選びました。

酒井:私も就活では、会社の年間休日とワーク・ライフ・バランスを見つつ、同じくらい仕事内容や社風を見て、実際に会社に行って先輩の話を聞き、雰囲気を見て決めました。

川本:私は3年生ですが、会社説明会では有給取得率や年間休日、職場環境などを確認しています。

―もし将来結婚して子どもができたら、どんな働き方をしたいですか?

酒井:私は女性が社会で活躍するという点でも、結婚・出産してから仕事と家庭を両立したいです。社会的にも、両立が主流になっていると思います。

大和:自分は家のことを進んでやるつもりです。性別役割分業の考え方が緩和し、女性の社会進出が進むのは良いことだと思います。

川本:私は結婚して子どもができたら家庭に時間を費やしたいので、経済的事情で働く場合でもパートで働いて、なるべく家庭に時間を割きたいです。

―いわゆる昭和の考え方(男性は仕事、女性は家事育児)についてはどう思いますか。

川本:自分が昭和の時代に生きていたらその道しかないので、働くことへの憧れはあったかもしれませんが仕事を辞めていたと思います。今はいろいろな選択肢があるので、「仕事を辞める」という同じ結果でも、自分で選んでいるところが昔と違うと思います。

酒井:私も昔なら専業主婦になっていたと思います。実際、小さいころは専業主婦になりたいと思っていました。社会の流れで選択肢が増えたから、自分の考えも変わってきたのかなと思います。

大和:昭和に生きていたら、「(男の)自分が絶対働く」と思いますが、今なら相手が仕事に専念してもいいと思います。現実的にそれが難しいのは、男性と女性の給料に違いがあって、男性が働く方が経済的メリットがあるからかなと思います。

―昔は結婚する人が多かったのですが、現在は減っています。将来結婚については考えますか?

全員:結婚はしたいです!

川本:でも無理して相手を探したいとは思いません。良い人に出会えたら結婚したいです。結婚は選択肢の1つでしかないと感じています。

酒井:何が何でも結婚したいとは思いません。でも、親には老後とかを考えて結婚した方がいいよと言われます。事実婚でも、一緒に暮らしていく人が現れたら安心すると思います。

大和:自分も絶対結婚したいというよりは、良い人が現れたら結婚したいです。

 

※50歳時の未婚割合をみると、1970年は男性1.7%、女性3.3%であったが、2020年は男性28.3%、女性17.8%と、それぞれ上昇している。

(国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」より)

インタビュー:災害と男女共同参画「災害現場で必要な”企画力”育成を」

近年大雨による洪水や土砂災害など、各地で自然災害が増加しています。実際の現場では女性の視点を取り入れた対応ができているのでしょうか。災害ボランティアとして活動し、災害女性リーダー育成にも尽力している鈴木まり子さんにお話を聞きました。

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 鈴木まり子さん

浜松の企業が手をつなぐ災害支援ネットワーク「はままつna net」事務局長

※東日本大震災でファシリテーターとして活動したのをきっかけに、日本各地の被災地で支援活動を行っている。NPO法人日本ファシリテーション協会フェロー

 

近年、女性の防災リーダーのコミュニティは増えています。静岡県は、女性防災リーダー養成に力を入れており、そこで学んだ人たちが、各地域で精力的に活動をしています。しかし、実際の災害現場で男女共同参画の視点を取り入れた対応ができているかというと、まだ課題が山積しています。例えば、被災地で調理ボランティア、泥かきのボランティアを募集するとき、「女性募集」「男性募集」と役割の適性を性別で選んでしまうような場面もあります。2021年に発生した熱海での土砂災害の時、私が避難所に入った時には避難所責任者や支援物資担当も男性ばかりで、女性が生理用品を受け取りにくい状況でした。そんな状況の中、私は女性の支援物資の配布会や、おしゃべり会を企画しました。チラシを作り開催場所を決め、担当者の協力を仰ぎ、行政の許可をもらって開催しました。災害時の基本として知っておいてもらいたいのは、災害時に必要なのは”提案”ではなく、“企画力”なんです。苦しく辛い状況の中で、もっとこうしてほしいというという要望が出てくると思いますが、災害対策本部は既存の対応をするだけで精一杯です。重要なのは、自分たちで”用意する”ということ。「自分たちでやるので許可をください」と言えたら、実現できる可能性が高まります。これからは、女性の企画力を育てる取り組みも必要だと思います。備蓄品として何が必要か考えるとき、「女性が」というより「私が」という視点で考えてみるといいと思います。子どもがいる人、生理がある人、介護が必要な人、それぞれに必要なものがあるはずです。例えば、避難所生活が長くなると、なかなかメイクもできません。眉毛が薄くて気になってしまうという人は、アイブロウを持ち出し品に入れておくといいでしょう。お子さんなら普段食べているお菓子があれば、避難所生活で気持ちが落ち着きます。すべてのものをそろえるのは難しいですが、「これだけはあってほしい」というものは用意しておくといいですね。

イベント:「避難所生活を考えるきっかけに」はままつ女性カレッジ修了生が出展

静岡県・浜松市・湖西市総合防災訓練の一環で開催された防災イベントが2023年9月3日、浜松市ギャラリーモールソラモ(中央区)で開催され、女性人材育成講座「はままつ女性カレッジ」修了生の調査レポートが展示されました。「避難所生活を想像してみよう」というタイトルで、2016年の熊本地震を経験した育児中の女性へのアンケート結果や、震災後に改正された熊本市の避難所開設・運営マニュアルなどが紹介されました。女性カレッジの修了生から説明を聞いた来場者は、「今まで避難所のことを具体的に考えたことはなかった。よいきっかけになった。」と感想を話していました。

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防災をテーマにしたパネル展示

30号記念 「ハーモニーのあゆみ」

浜松市の男女共同参画推進のための情報誌ハーモニーが30号を迎えました。1977年創刊の「青年婦人館だより」、1992年創刊の「舞香 まいか 」の2誌を引き継ぎ、2003年に「ハーモニー あい」が創刊されました。2009年「ハーモニー」に名称を変え、男女共同参画について皆さんに広く知っていただけるよう、さまざまな情報をお届けしてきました。これまでのあゆみを振り返ります。

1 

ハーモニーあい1号(2003年10月)

2003年4月に浜松市男女共同参画推進条例が施行されました。青年女性センターが「男女共同参画推進センターあいホール」に変わり、同年10月に本誌が創刊されました。

4 

ハーモニーあい4号(2005年3月)

浜松市内の小中学校への出前講座でのアンケート結果を報告しました。「男は仕事、女は家庭」という考えに対する反対意見に、女子70%、男子51%と差が見られました。

13 

ハーモニー13号(2009年10月)

13号から名称が「ハーモニー」に変わりました。ドメスティック・バイオレンス(DV)については11号で初めて特集し、この号では関連してデートDVを取り上げました。以降もDV防止に関する啓発記事は繰り返し登場しています。

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ハーモニー16号(2011年2月)

「浜松のイクメンに聞く」では育休を取得した男性社員のインタビューを掲載。22号では「イクボス」を紹介しています。

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ハーモニー21号(2015年2月)

女性活躍を促進している企業や、起業した女性を紹介しました。続く22号では、女性活躍推進法について解説しました

26 

ハーモニー26号(2020年3月)

スポーツにおける女性活躍を特集。浜松市のパートナーシップ宣誓制度の記事、SDGs、LGBTQについて解説しました。

30 

ハーモニー30号(2024年2月)

あいホール図書コーナーより

男女共同参画に関する書物が多数所蔵されている、あいホール図書コーナー。図書コンシェルジュの池谷さんに「家族と職業」に関するおススメの本を紹介していただきました。紹介した本は、あいホール図書コーナーで借りられます。

1

パパのカノジョは

ジャニス・レヴィ 作/ クリス・モンロー 絵/もん 訳/岩崎書店/2002年

パパの彼女は、金魚にオペラを歌い、鉢植えに話しかける風変りな人。けれど私の話は最後までちゃんと聞いてくれるし、くやしい時は一緒にくやしがってくれるのです。血縁や性別、年齢に関係なく人が一緒に生きることは自分も相手も大切にすることだと感じさせてくれる絵本です。

2

「わたしが管理職になるのも悪くない」と思える本 もっと女性が活躍できる未来への思考法

木須 八重子著/ごきげんビジネス出版ブランディング/2023年

社会が女性リーダーの必要性に気付き始めた今、管理職を目指す女性が少ない現状があります。理由は管理職に秀でた強さや決断力、統率力が必要だと思い込んでいるから。そうではないこれからのリーダー像を示し、私でも管理職になれるかもと思わせてくれる働く女性への応援本です。

実証実験:生理用品を提供するIoTディスペンサーを設置

浜松市はシャープ株式会社に委託し、公共施設の女性用トイレ(一部多機能トイレ)内に生理用ナプキンを提供するためのIoT(アイオーティー)ディスペンサーを設置する実証実験を行いました(2024年3月末まで)。設置されたのは市役所、中央図書館、あいホール、市立高等学校の4か所です。2021年に行った「生理の貧困」のアンケートによって、「外出先での急な生理への対応」「女性だけが生理用品の費用を負担する不公平感」といった課題が明らかになりました。こうした課題への対策の一つとして、IoTディスペンサーを設置しました。配布するナプキンは、市の防災備蓄品のうち使用期限が近付いているものを利用しました。こうした防災備蓄品を有効活用したIoTディスペンサー設置の取り組みは全国初です。利用者アンケートでは「トイレにナプキンがあればとても助かる」「もっとディスペンサーの設置が広がればいいと思う」といった声が寄せられました。

12 写真:シャープ株式会社提供

手をかざすと一枚ずつ取り出せます。

 

あいホールホームページへ(別ウィンドウが開きます)

 

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浜松市役所市民部UD・男女共同参画課

〒430-8652 浜松市中央区元城町103-2

電話番号:053-457-2561

ファクス番号:053-457-2750

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