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更新日:2024年2月28日

住民監査請求結果(令和6年2月28日)

浜松市監査委員告示第2号

令和6年1月29日に収受した浜松市職員措置請求書による住民監査請求(以下「本件請求」という。)について、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「自治法」という。)第242条第1項に規定する住民監査請求の要件を満たしていないものと判断し、却下することにしたので次のとおり公表する。

令和6年2月28日

浜松市監査委員 川嶋 朗夫

浜松市監査委員 佐藤 雅秀

浜松市監査委員 松本 康夫

浜松市監査委員 太田 利実保

第1 本件請求について

本件請求については、監査委員の合議により、却下するものと決定した。

第2 本件請求の内容

1 請求人の住所及び氏名

(省略)

2 請求書の収受日

令和6年1月29日

3 請求の要旨

  • (1) 請求の対象
    • ア 令和4年8月18日締結の浜松市上下水道部公有財産売却業務委託契約(以下「本件委託契約」という。)に基づき、本件土地1(浜松市中区(現:中央区)曳馬六丁目176番1及び178番2)が売却された場合に行われることとなる業務委託料(2,019,600円。以下「本件委託料1」という。)の支出
    • イ 本件委託契約に基づき、本件土地2(浜松市北区(現:浜名区)引佐町井伊谷字谷津下3286番1)が売却された場合に行われることとなる業務委託料(172,920円。以下「本件委託料2」という。)の支出
    • ウ 本件土地1及び本件土地2を売却するための管理及び当該管理を怠る事実
  • (2) 請求人の主張
    • ア 浜松市は、本件委託契約に基づく媒介業務の委託により、令和5年1月19日から4月19日まで(本件土地1については、更新により7月18日まで)の間、本件土地1及び本件土地2の売却のための随時公募(先着順)を行っていた。
    • イ 本件土地1(予定価格59,200,000円)は、「高価な財産」で、また、地下埋設物が有ることから価格への影響を判定するには「専門的な評価を必要とする財産」であるため、売却に当たっては、市有財産の取得、処分並びに貸付け等に関する事務処理要領(以下「事務処理要領」という。)第19条第1項に基づき、不動産鑑定士に評価依頼して価格を決定する必要があったところ、これに違反し、同条第2項に基づき、固定資産仮評価額を参考に価格を決定した。
    • ウ また、本件土地2(予定価格3,430,000円)は、売却に当たって、事務処理要領第19条第2項に基づき、付近の売買実例価格を参考に価格を決定している。売買実例価格は受託者の作成した調査報告書を基にしているが、同調査報告書の中では地下埋設物を考慮していないほか、取り上げている売買実例も地下埋設物が有る土地のものではないことから、同項に違反している。
    • エ よって、本件委託料1及び本件委託料2が支出された場合、違法、不当な売却手続に基づく違法、不当な支出となる。
    • オ なお、本件土地1及び本件土地2の売却は、結果として購入者が現れなかったため成立せず、本件委託料1及び本件委託料2の支出は行われていない。しかし、購入者が現れていれば、本件委託料1及び本件委託料2は当然に支出されていたものであり、違法な支出が発生する可能性が相当程度見込まれていた。また、本件委託契約は、令和7年3月31日まで継続しているため、今後、違法な支出が発生する可能性が相当程度見込まれる。
    • カ また、イ及びウにより、本件土地1及び本件土地2の売却のための管理も違法、不当になるとともに、本件土地1及び本件土地2の売却のための適法な手続を違法、不当に怠っていると言える。
  • (3) 監査委員に求める措置
    • 市長に対し、事務処理要領に違反する手続の是正及び部ごとでの自浄作用がないことを自覚し、部の傲慢な行政対応を改め、各部が連携し、事務処理要領に違反する行為を是正できる仕組みの構築をするよう勧告すること。

第3 監査委員の判断

1 本件委託料1及び本件委託料2の支出に係る請求について

自治法第242条第1項では、住民監査請求の対象の1つとして「違法若しくは不当な公金の支出」を掲げるとともに、「当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合を含む」こととしている。
また、「当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合」とは、「当該行為がなされるおそれが存する場合において、単にその可能性が漫然と存在するというだけでなく、その可能性、危険性等が相当の確実さをもって客観的に推測される程度に具体性を備えている場合を指す」と解されている(逐条地方自治法第9次改訂版(松本英昭著))。
本件委託契約の第6条第2項では、「委託者は、受託者が業務の実施により費用を生じているときであっても、その業務に係る対象物件の売買契約が成立し、かつ、その売買代金が市に完納されない限り、当該対象物件に係る業務委託料の支払いは行わないものとする。」とされており、本件委託料1及び本件委託料2の支出は、本件土地1及び本件土地2の売買契約の成立と売買代金の完納を要件としている。
本件委託料1及び本件委託料2は、本件土地1及び本件土地2の売買契約が成立しなかったため、現に支出されていない。
また、本件委託契約の仕様書2(4)①では、「委託者は、一般競争入札において不調となった指定物件のうち、委託者が指定する物件について、委託者が指定する期間、媒介(仲介)物件として受託者に対し、宅地建物取引業法に基づく媒介業務を委託するものとする。」及び「なお、委託者が指定する期間は最長で6か月とし、当該期間内に買受希望者を見つけられない場合は、再度一般競争入札の手続きをとることを原則とする。」とされているが、本件土地1の指定期間は令和5年7月18日、本件土地2の指定期間は令和5年4月19日で終了し、その後新たな期間の指定もされておらず、再度の一般競争入札の手続もとられていない。そのため、本件委託契約が令和7年3月31日まで継続しているとは言え、本件土地1及び本件土地2の具体的な売却手続が現に取られていない以上、本件委託料1及び本件委託料2の支出の可能性が相当の確実さをもって客観的に推測される程度に具体性を備えているとは認められない。
よって、本件委託料1及び本件委託料2の支出に係る請求は、現に支出されておらず、支出がなされることが相当の確実さをもって予測されるとも言えないことから、自治法第242条第1項の要件を満たさず、不適法である。

2 本件土地1及び本件土地2を売却するための管理及び当該管理を怠る事実に係る請求について

自治法第242条第1項では、住民監査請求の対象の1つとして「違法若しくは不当な財産の取得、管理若しくは処分」を掲げるとともに、「当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合を含む」こととしている。また、「違法若しくは不当に財産の管理を怠る事実」も対象の1つとしている。
「財産の管理」とは、当該財産の財産的価値に着目し、その価値の維持、保全を図る財務的処理を直接の目的とする財務会計上の財産管理行為をいうものと解されている(平成2年4月12日最高裁第一小法廷判決)。
しかし、請求人の主張する財産の管理は、本件土地1及び本件土地2の売却手続に関するものであって、本件土地1及び本件土地2の財産的価値の維持、保全を図る財務的処理を直接の目的とするものとは認められない。
よって、本件土地1及び本件土地2を売却するための管理及び当該管理を怠る事実に係る請求は、財産の管理及び財産の管理を怠る事実に係る請求には該当しないことから、自治法第242条第1項の要件を満たさず、不適法である。
なお、請求人の請求は「財産の処分」に係る請求とも捉えられるが、1で記載したとおり、本件土地1及び本件土地2の売買契約は現に成立していないほか、具体的な売却手続が現に取られていない以上、本件土地1及び本件土地2の売却の可能性が相当の確実さをもって客観的に推測される程度に具体性を備えているとは認められない。
よって、請求人の請求を本件土地1及び本件土地2の処分に係る請求と捉えた場合であっても、現に処分されておらず、処分がなされることが相当の確実さをもって予測されるとも言えないことから、自治法第242条第1項の要件を満たさず、不適法となる。

第4 結論

以上のとおり、本件請求は、自治法第242条第1項の要件を満たさず、不適法であると認めるため、却下する。

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