更新日:2024年3月29日
第3章 がんの予防・早期発見対策の推進/1 がんの予防
(1) 基本的な考え方
- 国立がん研究センターでは、日本人のがん予防にとって重要な「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」「感染」の6つの要因を取り上げています。このうち「感染」以外は日頃の生活習慣に関わるものです。
- 市民一人ひとりが、日ごろから生活習慣病予防に対して知識を持ち実践すること、肝炎ウイルス検査を受診することなど、がんの予防に向けた取り組みを行なうことが大切です。
(参考)国立がん研究センターが推奨する日本人のためのがん予防法
喫煙
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たばこは吸わない。他人のたばこの煙を避ける。
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飲酒
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飲酒をする場合は、節度のある飲酒をする。
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食事
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食事は偏らずバランス良くとる。
※減塩する。
※野菜と果物をとる。
※熱い飲み物や食べ物は冷ましてから口にする。
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身体活動
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日常生活を活動的に過ごす。
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体形
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成年期での体重を適正な範囲で管理する。
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感染
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肝炎ウイルスの検査を受け、感染している場合は専門医に相談する。
機会があれば、ヘリコバクター・ピロリ(※15の検査を受ける。
子宮頸がんの検診を定期的に受け、該当する年齢の人は子宮頸がんワクチンの定期接種を受ける。
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(出典)国立がん研究センターがん対策情報センター
(2) 現状・課題
禁煙率
- 市民の喫煙率は、30歳以上は減少していますが、20~29歳は高くなっています。喫煙が肺がん等の罹患リスクの大きな要因であることや禁煙によりがんの発症リスクを減少させることから、喫煙率を減少させる取組が必要です。
表5 喫煙率(単位:%)
対象
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平成23(2011)年度
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平成28(2016)年度
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令和4(2022)年度 |
20~29歳
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16.4
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4.2
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9.4
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30歳以上
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16.0
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10.2
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9.7
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(出典)健康はままつ21最終評価
食生活
- 野菜を多くとる人の割合が減少していることから、野菜摂取量の増加について、周知啓発だけでなく自身の食生活を振り返り、必要性に気づき、行動変容をおこすことができる取組みが必要です。
表6 野菜を多く(1皿70gを1日5皿以上)食べている人の割合(意識をもっている人)(単位:%)
対象
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平成23(2011)年度
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平成28(2016)年度
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令和4(2022)年度 |
20~64歳
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43.4
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38.7
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28.6
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(出典)健康はままつ21最終評価
運動習慣
- 運動習慣を持つ人の割合は横ばいですが、日常生活における身体活動の重要性について広く周知啓発し理解を深め、行動変容へつなげる対策が必要です。
表7 週1回以上、30分以上の運動、スポーツを行なう人の割合(単位:%)
対象
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平成23(2011)年度
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平成28(2016)年度
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令和4(2022)年度 |
45~64歳
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33.4
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35.5
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35.4
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(出典)健康はままつ21最終評価
ウイルス等への感染対策
- 令和4(2021)年度の肝炎ウイルス検診の無料受診券による受診率は、13.2%となっています。
(3) 今後の取り組み
[1] たばこ対策の推進
- 市は、「健康はままつ21」に基づき、たばこ対策を一層充実させます。
- ア 市は、たばこをやめたいと思う人に対し、禁煙補助剤や禁煙治療などの禁煙方法や相談先等の情報を提供します。
- イ 市は、未就学児及び保護者を対象にたばこの害について周知・啓発します。
- ウ 市は、関係機関等へポスター、ステッカーを配布して啓発活動に取組みます。
- エ 市は、飲食店等多数の者が利用する施設・事業所に対して普及・啓発などの受動喫煙防止対策に取組みます。
[2] 食生活改善の推進
- 市は、食生活の改善により、がんに罹患するリスクを軽減できることから、「浜松市食育推進計画(健康はままつ21)」に基づいた取組みを実施し、市民一人ひとりの行動に合わせた健康状態の改善に向け、望ましい食習慣の定着を推進します。
[3] その他生活習慣の改善
- 市は、健康はままつ21推進協力団体及び企業等との連携・協働により、市民や企業の従業員等に対し、生活習慣病の改善により、がん、心筋梗塞、脳卒中などの予防に果たす役割を啓発します。
- 市は、市民自らが食や運動習慣などの生活習慣の改善に取り組むことができるように支援します。
- 市は、企業が取り組む健康づくりを支援し、「健康経営」により従業員やその家族に対する生活習慣病の発症予防・重症化予防への活動を推進します。
[4] ウイルス等への感染対策
- 市は、肝臓がんと関連する肝炎ウイルスの検査体制の充実や普及啓発を通じて、肝炎の早期発見・早期治療につなげることにより、がんの発症予防に努めます。
- 市は、母子感染による成人T細胞性白血病等を防止するため、妊婦健診におけるHTLV-1(※16検査に引き続き取り組みます。
- 市は、胃がんと関連するヘリコバクター・ピロリの感染及び子宮がんと関連するヒトパピローマウイルス(※17の感染への対策については、今後も国及び静岡県の動向を注視し検討します。
- 市は、子宮頸がん検診の受診及びHPVワクチン接種の必要性を市民へ周知・啓発し、市民が検診及び接種を受けるよう取り組みます。
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